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昨日はハムステッド駅界隈までのんびり散歩して午後を過ごした。期末の今、疲れが溜まって、それ以外に何もしたくなかったのだ。
青い空の下、澄んだ空気を楽しみながら、バーグ・ハウスのカフェに入る。バーグ・ハウスは歴史ある邸宅で今は公民館(博物館も併設)。カフェの客もほぼ地元住民とみられ、とてもアットホームな雰囲気。ここで、乳児1に出会う。小さくまだしわが残る感じで、生後1週間とか。湯気が立ち上っている感じ。 テーブルに転がっていた地元紙を読むと、5日までユダヤ系図書週間で、近所で即売会が開催されている模様。ユダヤ系住民が多いものね。その記事の中で、マルクス主義歴史学者のエリック・ホッブズボウム氏がインタビューに答えている。ユダヤ系でハムステッド住民の氏、ベルリンで過ごした少年時代に接したヒットラー圧政を端にマルクス主義に目覚め、英国での言論、教授活動の一線から退いた今も、ラディカル・ソリューションへの希望を失っていない、という。非共産主義国で共産主義を生きた稀有でファンキーなおじいちゃんである。昔読んだ彼のinvention of traditions論文は面白かったことよ。つらつら思い出し。 カフェを出て、表通りの本屋、Waterstonesで日暮れまで本の拾い読み。ここには本の検索と案内を快くしてくれる店員(知っているだけで2人)がいるのが心強い。危険な予感に違わず、数冊お買い上げ。(文明)社会崩壊プロセスを各国を例に描写した環境・政治本、Jared Diamondの「Collapse」から、外交官妻が各国での生活で味わう悲喜こもごもを綴る小説、Brigid Keenanの「Diplomatic Baggage」まで、色々。 帰宅すると、上階の住人から、駐車許可証をうちのバルコニーに落としてしまったので、悪いが拾って下さらんかというメモが扉に挟まっていた。それはお困りだろうとバルコニーに面した窓をさっそく上げようとしたが、10センチ以上は開かない。迷った末、隣の寝室外のバルコニーから、スパイダーマンのように壁伝いにバルコニーに移動して、物を確保。 お届けにあがると、夫婦の宝物である生後11ヶ月の娘さんもじっくり私を観察しながらお出迎え。当然ながら、床を這って移動。彼女の生活圏である床から1mまで、掃除が大変だろう。父君と世間話をしながら、自分が乳児の視線で世界を眺めている気分になる。大人が見える風景とは違う異世界が広がっているはず。読書で触れる異世界への邂逅も好きだが、生身の人が醸しだすドラマ、これほど面白いものはない。成長、成熟、再生。生半可な成熟状態で止まっている場合ではないな。
by bohemianism
| 2006-03-05 22:16
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